あまりにも性能のみを追求するあまり、大切な事をお座なりにしてしまうことはどんな産業帯においても多々あるのだと考えます。そして国産だから良いなどという幻想はとうの昔に消えて無くなっていることに気が付いているものの、見て見ぬ振りをしてばかりの状況に陥っていることも忘れてはなりません。日泉ケーブルの存在は恥ずかしながらこの数年で初めて知ったのですが、小さい製造現場ながらもどう工夫し、最良が出来上がるのか、そして何がユーザーに求められ、そしてそれらを丁寧にカタチにしていこうとする製造現場がもつ情熱がシムワークスのバイブレーションと共鳴したことは必然の成り行きだったのだと確信しています。
織機のバネなどを製造していた創業当初の日泉ケーブルでしたが、その後自転車のブレーキワイヤーなどの製造販売に携わるようになり、実に70年もの歴史を経て現在に至ります。より良いものづくり以上にユーザーの声を正しく拾っていくことの大切さを製造の現場に求め、たどり着いた結果はしなやかさと多様性でした。
近年では変速システムの高性能化に伴ってハンドル周りのワイヤーケーブルの取り回しはますますきつくなる傾向にありますが、日泉製のアウターケーブルの特徴はそのしなやかさにあり、無理な力がインナーケーブルにもかからず、組付け時の取り回しも楽になり、ハンドル操作のストレスも最小限になるという訳です。
決して目立つ部分では無いかもしれませんが、操作する頻度は高く、そのフィーリングが非常に重要な箇所と言えます。インナー、アウター共に熟成を重ねられた最高の品質を是非お確かめください。